子供の身長を伸ばしていくのに欠かせない要素が「食事」と「睡眠」、そして「運動」の3つです。この3つは、身長を伸ばすための3大要素になります。

よく食べて、寝て、外で動きまわって遊ぶ。当り前の行動ですが、子供の成長にとってこの3つの行動はとても大切になります。

しかし最近の子供たちは、この当り前の行動がなかなかできていません。これは子供だけが原因なのではなく、親の協力も必要です。

あなたもどれか1つぐらいは、できていない現状に心当たりがあるかもしれませんね。

今回はこの3つの中で、「運動」についてお話していきます。運動は子供の身長を伸ばすのに、どのような効果があるのでしょう。

*身長の伸びに与える運動の効果

まずはじめに、運動というと激しいトレーニングをイメージするかもしれませんが、この場合は運動の解釈がちょっと違います。

スポーツクラブなどに入って、子供にバリバリ運動させてほしいわけではないのです。

ここでいう運動とは、「子供が元気に動きまわること」というふうに考えてください。

運動と聞いて変に難しく考える必要はありません。「遊びの中で体を動かしてください」ということです。

もちろん外で元気に遊んでほしいですが、動けるなら室内でも構いません。とにかく子供が元気に動きまわるというのが大切です。

・運動によって骨に刺激を与え、成長を促す

子供の骨には骨端軟骨(骨端線とも呼ばれる)という軟骨があり、これは子供の時にしかない骨です。

運動によってこの骨端軟骨に刺激を与えることで、骨の成長を促し、身長が伸びることへもつながります。

でも、骨に刺激を与えるなんて、逆に身長の伸びに影響しそうと思いますよね。これはあくまでも激しい刺激ではなく、適度な刺激を与えるということです。

適度な刺激とはどれくらいなのか。

例えば、公園で遊具などを使って遊んだりおにごっこなどで走りまわったりして遊ぶレベルで大丈夫。それぐらいでも子供の体には、十分骨に適度な刺激を与えられる運動になります。

その場でジャンプしたり飛び跳ねたりするくらいならいいですが、高い所から飛び降りるなどすると、骨端軟骨に負荷がかかりすぎてしまい、身長の伸びに影響してきます。

骨端軟骨を傷つけてしまうと、成長した時の骨格にも影響してしまうんだとか。

また、子供の時に運動しておくと、将来大人になった時の骨密度に影響するんだそうです。運動によって子供のうちから、骨を強くしておきましょう。

・運動後に成長ホルモンが分泌される

運動は骨端軟骨へ刺激を与えるだけでなく、運動中に成長ホルモンを分泌させる効果もあります。

適度な運動の刺激が脳下垂体と呼ばれる器官に伝わり、そこから成長ホルモンを分泌させていきます。

成長ホルモンが肝臓に働きかけると、そこでソマトメジンC(IGF-1)というホルモンが作られ、そのホルモンの働きによって骨が成長していくのです。

ただし、成長ホルモンをたくさん分泌させようと思って、運動をやりすぎるのは逆効果になってしまう可能性があります。

運動をやりすぎてしまうと、せっかく分泌された成長ホルモンが、疲れた体を修復するほうに多く使われてしまうため、成長への効果が減少してしまうかもしれません。

骨への刺激と成長ホルモンの分泌も、運動をやりすぎてしまうと逆効果になる可能性があるため、遊んで動きまわる程度の適度な運動で十分なのです。

・日中の運動によって自然とお腹が空き、疲れて眠る

日中にたくさん遊んで適度な運動をおこなえば、自然とお腹も空きますし、疲れて夜に眠たくもなります。

成長期の子供に大切な「運動・食事・睡眠」の3つが、自然なサイクルとなるでしょう。

普段あまり食欲が無かったりなかなか寝つけなかったりする子供は、まずは「運動・食事・睡眠」の【運動】から始めてみてください。

身長を伸ばして成長していくために、子供にはたくさん動きまわって遊ばせてあげましょう。

*身長を伸ばす効果がある運動とは

運動には身長を伸ばす効果があるとわかりました。適度な運動をおこなうとのことでしたが、どんな運動をおこなえばいいのでしょうか。

わざわざ運動の習い事やスポーツクラブなどに入会する必要はありません。本当に普段の遊びの一環として、親子で一緒に楽しく運動をしましょう。

全身の筋肉を動かすつもりで、元気いっぱいに遊んでください。

特に走ったりジャンプしたりと、下半身を中心に意識した遊びがベスト。

人の体の中で一番大きい筋肉である太ももの筋肉を動かすのが、成長ホルモンを分泌させるのに適しているからです。

・遊びながらできる適度な運動

子供が遊びながらできる適度な運動とは、どんなものがあるのか。以下の運動をご紹介していきます。

・おにごっこ

逃げて追いかけて走りまわる定番の遊び。動きまわって遊びながら骨に刺激を与えるには最適な遊びです。友達同士でも親子でも楽しむことができます。

・かけっこ

全身を使って少しでも速く走ろう頑張るかけっこは子供にうってつけ。
また、友達同士ならこの子よりちょっとでも速く走ろうという競争心が生まれ、親子なら強敵である親御さんに将来絶対に勝ってやるという向上心も生まれることでしょう。

・なわとび

ジャンプしながら縄を跳びます。上半身で縄を回して、下半身でジャンプする、これも全身運動になりますね。

・鉄棒

鉄棒も全身運動です。腕の力だけでなく、腹筋から脚にかけての筋肉を使ってバランスをとります。

・ボール遊び

ボールを投げたり蹴ったりして遊びましょう。投げるのも蹴るのも全身を使って、大きく動くことを意識してください。
また、ボールをキャッチできずに後ろにそらしてしまうと、追いかけて取りに行くので走ることもできます。

・運動が苦手な子供は親子で一緒にじゃれ合う

いざ運動しようと思っても、そもそも運動が苦手な子供もたくさんいるはず。そんな子供たちには、親子で一緒に遊んでじゃれ合いながらやれる運動のご紹介です。

運動が苦手な子供には、以下の遊びをやってみましょう。子供自身の「動いて遊びたい」という気持ちを、誘発してあげる遊びだと思ってください。

親子のスキンシップにもなるので、親子の愛を深める遊びにもできますよ。

ただし、抱っこしたり持ち上げたりすることがあるので、年齢的に小学校低学年ぐらいの子までになるかと思います。

・くすぐり遊び

親子でくすぐり合いっこをします。ただくすぐるだけですが、やってる時は意外に体を動かします。一緒に笑い合いながら遊べますね。

・抱っこ遊び

立った状態や座った状態で抱っこをして、子供の体を動かしてあげます。次第に子供も自分だけで動きたい気持ちになってくるでしょう。

・高い高い

一般的に知られている高い高いになります。
抱っこ遊びと似たような遊びですが、子供を軽く上に放り投げてキャッチしてみたり、高い高いをしながらグルグル回ってみたりと、よりアクティブな動きが入る遊びにできます。

・人間ゴマ

子供は床に寝転がらせて、膝を抱えて丸くなる体勢にします。親御さんは子供の脇の下か膝の裏に手を入れて、遠心力がつくように回して遊んでください。
ただし、子供の目が回ってしまうので、回しすぎに注意しましょう。フローリングの床だとより回しやすいです。

*身長の伸びに影響してしまうやってはいけない運動

身長の伸びに影響してしまうやってはいけない運動としては、先ほどから少しお話に出てきていますが、

・体(筋肉)に負荷がかかりすぎる運動

・関節を痛めてしまうような運動

という2つの運動に注意してください。

体に負荷をかけすぎてしまうと、運動によって分泌された成長ホルモンが、疲れた体の修復に多く使われてしまうから。

せっかく運動で成長ホルモンを分泌させたのに、効果が少なくなってはもったいないですよね。

また、当然子供は大人よりも体力が弱いです。あまり疲れさせすぎると、体調を崩すかもしれませんし、ケガをしてしまうかもしれません。

どんなに長くても、1時間~2時間ぐらいを目安に遊ぶのをやめさせましょう。

関節を痛めてしまうような運動というのは、主に器具を用いた筋トレによる運動があげられます。

小学生ぐらではなかなか器具を使って筋トレをする機会は少ないかもしれませんが、中学生ぐらいになってくると使用することがあるかもしれません。

しかしたとえ中学生でも、体はまだまだ成長段階です。高校生になってある程度大人の体に近づくまでは、器具による筋トレはやめてください。

器具による筋トレは関節への負荷が強すぎるので、子供の体にはおすすめできません。

*補足情報:バスケットやバレーをしたらやっぱり身長は伸びるの?

身長と運動の関係を調べた時によく聞くのが、「バスケットやバレーをやると身長が伸びる」という説です。この説は本当なのでしょうか?

結論から言うと、この説に科学的な根拠はありません。では、なぜバスケットやバレーをやると身長が伸びると言われてきたのでしょう。

それは単純なことで、「身長が高い人がやっていて、身長が高い人のほうが有利なスポーツ」だからです。

学生時代から考えれば、この2つの競技を身長が小さくてもやっている人はたくさんいます。

しかし、レベルが上がるにつれてよほど技術がある人でなければ身長が低いと生き残れず、最終的に身長が高い人が残ってしまうということです。

バスケットやバレーに詳しくない人がこの2つの競技を見る機会があるとすれば、トップレベルのプロの試合だと思います。そういう高いレベルには、基本的に身長が高い人ばかりです。

その様子を見てしまうと、バスケットやバレーをやっていれば身長が高くなると、錯覚してしまうわけですね。

要するに、

「バスケットやバレーをやったから身長が高い」
のではなく、

【身長が高いからバスケットやバレーを続けられている】
というわけなのです。

ただし、子供の時に上方向にジャンプをすることは、身長を伸ばしていくのに良い運動です。

この2つの競技をやるから身長が伸びるわけではないですが、バスケットとバレーは身長を伸ばす可能性がある運動としては、有効な競技と言えるかもしれません。

*まとめ

今回は「身長と運動の関係性」について、簡単にまとめてみました。身長を伸ばしていくのに運動が大切なんだというのが、わかってもらえたかと思います。

しかし、運動は子供の身長を伸ばしていくのにもちろん重要ですが、これだけをやっていればいいわけではありません。

冒頭でもお話したとおり、運動の他に「食事」と「睡眠」も大切です。

身長を伸ばすのもそうですが、子供が元気に育っていくためには、この「運動・食事・睡眠」の3つのバランスがとても大切になってきます。

すべてを意識していくのは大変だと思いますので、まずは運動から始めてみてはいかがでしょうか。

場所の問題や防犯上の問題などもありますが、とにかく子供のうちは元気に外で遊びましょう。