あなたの子供は、毎日ちゃんと眠れていますか?子供が成長していく中で、睡眠というのはとても大切です。
十分な睡眠がとれていないと、体の不調はもちろん、心の不調にまでつながる可能性があります。
特に、身長を伸ばすことにおいて、睡眠はとても重要な要素の1つです。
身長を伸ばすのに重要だと言われる3大要素の1つで、「食事」、「運動」、そして「睡眠」というぐらい欠かせないものになります。
実際に現代の子供たちは、部活や塾などに忙しかったり、スマホやPCでインターネットを見たりするなど、夜遅くまで何かしら活動していることも多いです。
ある意味子供たちの睡眠不足というのは、起こるべくして起きている現象なのかもしれませんね。
今回は、そんな身長を伸ばしていくことに対する睡眠の重要性について、ご紹介していきます。
*睡眠中に成長ホルモンを分泌させるため、身長が伸びていく!
そもそも、なぜ身長を伸ばすことに「睡眠」が重要なのか。それは子供が身長を伸ばすのに大切な成長ホルモンを、睡眠中に活発に分泌してくれるからです。
昔から「寝る子は育つ」と言われていますが、まさにその通りなんですね。
子供のうちから睡眠不足になってしまうと、身長を伸ばすことなどを含めた子供の「健やかな成長」の妨げになってしまいます。
子供には、しっかりと睡眠する時間を確保してあげて、成長ホルモンを分泌させてあげましょう。
*成長ホルモンを分泌させやすくするにはどんな睡眠が必要なのか
普通に寝ていても分泌される成長ホルモンですが、分泌されやすい時間帯が存在するとされています。
それは、「睡眠のゴールデンタイム」と言われる時間帯です。
「そんな時間帯が本当に存在するの?」と思いますよね。一体「睡眠のゴールデンタイム」とはどんな時間帯のことなんでしょうか。
また、この時間帯も重要ですが、睡眠の質も大切になってきます。
睡眠の種類やどういう睡眠をするべきなのか、身長を伸ばしていくために必要な成長ホルモンを、分泌させやすくする睡眠方法について見ていきましょう。
・睡眠のゴールデンタイムは「22時~夜中の2時」と言われている
身長を伸ばすために大切な成長ホルモンを、活発に分泌させてくれる睡眠のゴールデンタイムというのが、「22時~夜中の2時」と言われています。
子供が身長を伸ばしていくには、この時間帯に寝ておくことが重要です。
この時間帯が、睡眠のゴールデンタイムと言われている理由として、
・成長ホルモンの分泌のピークが、夜中の1時前後に来ると言われている
・成長ホルモンの分泌のピークが、眠りに入って1.5~2時間後にくると言われている
・眠りに入ってからの3時間後までに、成長ホルモンの分泌量が多くなる
上記の内容をまとめると、22時~夜中の2時までが「睡眠のゴールデンタイム」と言われている理由になります。
より身長を伸ばす可能性がある時間帯で眠ることが、子供の成長のためになるでしょう。
・本当に?最近の研究では、睡眠のゴールデンタイムなんて無いとも言われている
今ご紹介した「睡眠のゴールデンタイム」ですが、実は最近の研究で【そんな時間帯なんて存在しない!】という結果が出ているそうです。
そう警鐘を鳴らしているのが、スタンフォード大学の研究チームです。
研究チームが実験によって導かれた「スタンフォード式睡眠術」によると、良質な睡眠というのは、時間帯などは関係なく、その人が如何に眠りやすいサイクルや環境で睡眠をとることができるかどうか。
そして、しっかりと深い眠りに入ることができるかであるとのことだそうです。
スタンフォード式睡眠術では、
・毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きるというサイクルが大切
・自分に合った寝具や環境で寝ること
・入眠後の最初の90分にしっかりと深い眠りに入っておくこと
などとされています。
ゴールデンタイムの時間帯に寝るのではなく、自分に合った時間を毎日守り、質の高い睡眠をすることが大切になるようです。
睡眠のゴールデンタイムという時間帯の概念を、考えなおしたほうがいいのかもしれませんね。
・睡眠の種類|レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類があります。
それぞれ、
「レム睡眠」・・・浅い眠りの睡眠状態(この状態の時に夢を見やすい)
「ノンレム睡眠」・・・深い眠りの睡眠状態
人は1回の睡眠の中で、レム睡眠とノンレム睡眠を90分~120分ほどの周期で繰り返していきます。
最初はノンレム睡眠の時間が長いですが、だんだんとレム睡眠の時間が長くなり、目を覚ましていくそうです。
今回の身長を伸ばすという目的で重要となるのが、深い眠りに入る「ノンレム睡眠」になります。
このノンレム睡眠の状態の時に、質のいい睡眠ができるかどうかが肝心です。
先ほどの「スタンフォード式睡眠術」によると、入眠後すぐのノンレム睡眠が一番深い眠りとのこと。
この最初のノンレム睡眠の周期が約90分であることから、入眠後の最初の90分に深い眠りに入ることが重要となります。
*身長を伸ばすのに最適な睡眠をするために|睡眠導入への5つのポイント
質の良い睡眠をおこなうには、睡眠までのプロセスがあります。1日の中で、睡眠に行きつくまでの行動が重要です。
・日中にしっかりと日差しを浴びて、体を動かしておく
・食事は就寝時間の3時間前までに済ませておく
・お風呂はちゃんと湯船に浸かって、体を温める
・就寝前のゲームやスマホの操作は厳禁
・寝具は自分の体に合ったものを選ぶ
など、質の良い睡眠に導入するために大切な、5つのポイントについてご紹介していきます。
・日中にしっかり日差しを浴びて、体を動かしておく
最近の子供たちは、ゲームやスマホの普及により、1日中お家(室内)で過ごす場合も多いです。
お友達と集まって外へ遊びに行っても、動き回るわけでもなく、公園などでゲームをしている子供たちをよく見かけます。
質の良い睡眠をおこなうには、あまりよくない状況ですね。質の良い睡眠のためには、日中に外でしっかり汗をかくまで動き回って遊んでおきましょう。
日中に遊ぶだけ遊んだ子供は、お家に帰って夜ご飯を食べ終わったら、疲れていつの間にか寝ちゃいますよね。でも、この行動が当り前でいいのです。
「日中に遊ぶだけ遊んで、疲れて自然と深い眠りに入ってしまう」、これが子供の理想的な睡眠へのサイクルではないかと思います。
また、朝からしっかり日差しを浴びておくことも大切です。
朝に目が覚めてからちゃんと日差しを浴びることで、体も1日のサイクルが始まったと感じて、スタートを切ることができます。
夜に質の良い睡眠で眠るために、朝から良いスタートを切っておきましょう。
・食事は就寝時間の3時間前までに済ませておく
食事は就寝時間の3時間前までに済ませておきましょう。
人は食べたものを消化するのに、約3時間ほどかかるとされています。そのため、就寝時間の3時間前には食事を済ませておくのが大切です。
もしも消化しきれていない状態で寝てしまうと、睡眠中に体内で消化活動がおこなわれます。
そのため、見た目は眠っている状態ですが、体は消化するために起きてしまっています。
こうなると、例え寝ていたとしても、体は消化活動のために起きて疲れてしまっているため、せっかくの睡眠の時間に体を休めることができません
体が眠れていないということは、質の良い睡眠ができていないということですので、当然成長ホルモンの分泌にも影響してきます。
食事は、必ず就寝時間の3時間前までに済ませておいてくださいね。
・お風呂はちゃんと湯船に浸かって体を温める
お風呂の時間をシャワーだけで済ませている人も多いですが、質の良い睡眠をおこなうには、ちゃんと湯船に浸かって、体を温めておいてください。
これは、体の「深部体温」というのが関係しています。夜になって深部体温が下がるころに、人は自然な睡眠に入れるとされています。
普通に過ごしているだけだと、深部体温は下がりにくいとされています。なので、質の良い睡眠をおこなうには、湯船に浸かって、一度「深部体温」を上げてください。
湯船に浸かって体を温めてあげる行為は、この深部体温の変化をサポートする効果があります。湯船に浸かって深部体温をしっかり下げてあげると、質の良い睡眠に入れます。
湯船に浸かる目安としては、約40℃のお湯に最低10分ぐらいは入りましょう。お湯は熱すぎてもぬるすぎてもダメです。
就寝時間の30分前までには入浴してくださいね。
子供は大人よりも代謝が良いので、あまり長い時間湯船に浸かれないと思いますが、なるべく湯船に浸かって、体を温めてから寝るようにしてください。
・就寝前のゲームやスマホの操作は厳禁
就寝前のゲームやスマホ(もちろんテレビやパソコンも含む)は、脳が活性化して眠りづらくなるので絶対にやめてください。
これは、ゲームやスマホなどから放たれる光を浴びることで、昼間の時間だと感じてしまい、まだ夜の寝る時間じゃないと脳が錯覚してしまいます。
また、脳が錯覚することによって体内時計が乱れてしまい、自然な眠気を誘ってくれるメラトニンというホルモンが分泌されづらくなります。
それによって、眠ろうとしてもなかなか寝れなくなってしまいますし、体内時計も乱れてしまうので、質の良い睡眠ができなくなるのです。
これに関しては、ゲームやスマホの光だけでなく、部屋の明かりでも起こります。
就寝時間の1~2時間ぐらい前には、明るい室内灯を消して、薄暗い間接照明などで過ごすようにしましょう。
・寝具は自分の体に合ったものを選ぶ
寝具は子供自身の体に合ったものを選らんで、質の良い睡眠ができるように快適な睡眠環境を作ってあげてください。
一言で寝具と言っても、たくさんの種類があります。
ベッドなのか布団なのか、マットレスを使うのか。布団やマットレスの素材は硬めなのか柔らかめのなのかなど、選び始めるとキリがないですよね。
なので、寝具を買う時は、購入するお店の人にどういった寝具がいいのか相談して、触ってみたり寝てみたり、実際に試してみてから選んでください。
また、寝具だけでなく、睡眠環境も大切です。実際に買った寝具を置く場所も、子供が眠りやすい環境にしてあげてくださいね。
どうしたら眠りやすいのか、日々いろいろと試してみるのもいいかもしれませんね。
*補足情報:大人も気をつけて!睡眠負債が深刻な問題になっている
もちろん親のあなたも、睡眠不足には気をつけてくださいね。最近では「睡眠負債」というのが問題視されています。
睡眠負債というのは、日々の睡眠不足がどんどん積み重なっていき、それがまるで借金のように積もっていくことから睡眠負債と言われています。
借金なので、当然返済していく必要があります。ただし、睡眠不足が原因で負債になった睡眠時間を返済していくのは、とても大変なんだそうです。
負債を返済していくことよりも、これ以上睡眠負債を増やしていかないように日々気をつけていくことが、今できる一番の対策になるでしょう。
*まとめ
子供の身長を伸ばしていくために、睡眠は本当に重要な要素となります。身長などの成長にかかわる部分もですが、睡眠不足は体調面や精神面にも影響してきます。
いろいろとやることも多い今の子供たちですが、身長を伸ばして成長していくためにも、ちゃんと理想的な睡眠スケジュールと睡眠環境を作ってあげてください。
また、子供たちの睡眠不足の原因は、親であるあなたにも原因があります。
子供の生活習慣は、親の生活習慣によって決まってきます。親が夜型だと、子供も夜型になりがちです。
まずは親であるあなたの生活習慣を見直して、子供が身長を伸ばしていけるように、質の良い睡眠ができる環境を作ってあげましょう。